冒頭の画像のようなイラストは、よくあちこちで目にしますが、ところでコレは何を表しているんでしょう?
京都の大文字焼きという言葉は何となく有名ですが、それなんでしょうか?
そうだとしたら、いったい何のために山に大の字を浮かび上がらせたりするのでしょうか?
意外と知らない京都の大文字焼きについて、調べてみました。
大文字焼きの正式名称は「五山の送り火」
こういう光景のことを「大文字焼き」と言いますが、実は京都以外でも行われているんです。
奈良・秋田・山梨・静岡・箱根など。
でも、一番有名なのは京都のもので、正式には「五山の送り火」もしくは「大文字の送り火」と言います。
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日本中いろんなところでやってるものだったんですね~。
このページでは、京都の「五山の送り火」についてご紹介します。
箱根や山梨(2017年にLEDで点火させて話題になった)などについては、別の記事で。
京都の大文字焼き(五山の送り火)とは?
五山の送り火は、京都では祇園祭と並んで、夏を代表する風物詩です。
毎年8月16日に、京都市内の5か所の山で火を焚き、送り火として、死者の魂をあの世へ送り届ける行事となっています。
精霊流し、灯籠流しとの関係は?
精霊流しも灯籠流しも、同じくお盆の送り火と同じ意味で、死者を送り出すための風習です。
なので、精霊流し・灯籠流しと五山の送り火は、やることは違えど目的は同じなんです。
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>>まだまだある!一度は読みたい『お盆』にまつわる記事。一覧はこちら。
五山の送り火(大文字焼き)の起源。誰を送る?
大の字の形の火は、「送り火」と言って、死者をあの世に送るための火です。
毎年お盆の時期(一般的には8月13日から16日)には、仏様があの世から家に帰ってくる日とされていて、その最終日には、送り火を焚いて仏様を送り出しました。
普通は、家の前などで小さな火を焚くのですが、それが発展してお盆の行事になったものが、五山の送り火(大文字焼き)というわけです。
なので、送り火は誰を送るか?というと、家に帰って来たご先祖様を送るわけなんです。
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いつから始まったのか?については、諸説があり、正式な文書が残っていないそうなのですが、京都で大量の死者が出た応仁の乱の後に始まったのではないか?という説があります。
町をあげて、亡くなった方を弔ったんですね。
なんとなくもの悲しい感じがします。
なぜ大の字なの?
これについても諸説あり、正しい説は特定されていません。
ただ、このあとにご紹介しますが、「五山の送り火」というだけあって、山は5つあるんです。
その中の1つの大文字山の「大」が有名ですが、その他の文字もあります。
それぞれの山が、違う宗派の寺が管轄しているため、その宗派にちなんだ文字が燃やされているという説もあります。
五山てことは、5か所あるの?
そうなんです。
五山の送り火は、京都市内の5か所の山で、それぞれ違う文字が焼かれます。
正式には、大の字は2ヶ所ですし、文字ではなく記号の場所もあります。
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5か所の山が、5分ずつ時間をずらして順番に点灯していきます。
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だからと言って、1か所で5つすべてが見えるわけではなく、それぞれが遠いので1ヶ所で1つが普通のようです。
消灯はだいたい20:50頃なので、5つすべてを回ることも不可能。
どれを見るのか決めて行くのがいいようです。
点灯スケジュール
1.20:00「大文字(だいもんじ)」東山如意ケ岳
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2. 20:05「妙法(みょうほう)」万灯籠山、大黒天山
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3. 20:10「船形(ふながた)」西賀茂船山
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4. 20:15「左大文字(ひだりだいもんじ)」大北山
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5. 20:20「鳥居形(とりいがた)」嵯峨仙翁寺山(万灯籠山・蔓荼羅山)
何を焼いているの?
護摩木(ゴマギ)というものを焼いています。
護摩木(ゴマギ)とは、護摩を焚くときに燃やす木のことで、願い事や先祖の供養について書きます。
五山の送り火では、この護摩木に、自分の名前を病名を書いて焚くと病気が治るという言い伝えがあるため、この送り火の時にはたくさんの護摩木が集められて燃やされます。
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ただ火をつけるだけじゃ、なかったんですね。
字はどのくらい大きいの?
たとえば、大の字の場合、
- 1画目80M
- 2画目160M
- 3画目120M
という長さになっています。
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燃やすものは、薪を井桁に組んで焼く1.3mに積み重ねて、間に松葉を入れた「火床」というものを点々と置いて点火するのですが、これが全部で75個となっています。
まとめ
大の字に山が燃えている光景は、何となく見覚えがありましたが、お盆の送り火の意味を持っていたとは知りませんでした。
たくさんの死者の方を一斉に弔う火なんだと思うと、お祭りと言うよりも、静かにお酒でも飲みたい気持ちになりますね。
山も1つではなく5か所が一斉に点火されるとは知りませんでした。
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街はそれなりにお祭りムードなのかもしれませんが、私としては、しんみり歴史に思いを馳せたいような気がします。
いつか京都に行って、この日の雰囲気を味わってみたいと思いました。
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